賢い塾の選び方

６−０８７．教材販売のアーサー教育社とヴィクトリー、役員と営業員が不実告知で逮捕される

　「◎は文科省テストに出ます」−−ウソつき教材販売勧誘で逮捕
　（産経ＷＥＳＴ・２０１５年５月１３日）

学習用教材を訪問販売し、テストで高い点数が取れるなどと虚偽説明したとして、京都府警生活経済課などは１３日、特定商取引法違反（不実告知）の疑いで、大阪府吹田市の学習用の教材販売会社「アーサー教育社」の役員、中村秀美容疑者（４８）＝大阪府豊中市＝ら５人を逮捕した。中村容疑者は「指示した覚えはない」と否認している。

ほかに逮捕されたのは、元従業員、杉本匡志（３９）▽元営業員、吉川幸伸（５０）▽営業員、田中良一（４７）▽元営業員、宋昌賢（そう・しょうけん）（４９）の４容疑者。府警は同社が平成２５年４月以降、京都や大阪、兵庫、福岡などで３００人以上に教材を販売し、３億７０００万円以上を売り上げたとみている。

逮捕容疑は平成２５年８月〜２６年３月、京都府や大阪府の女性らの自宅を訪問し、３６〜６０万円の教材販売を勧誘。「二重丸のところが文部科学省で決められたテストに出るところ」などと説明し、この教材を使用すれば、定期テストや入試で８０〜９０点が取れるなどとうその説明をしたとしている。

近畿経済産業局は今年４月、特定商取引法に違反したとして、同社と中村容疑者が代表を務める別の教材販売会社に対し３〜６カ月間、販売業務の一部停止命令を出していた。しかし、府警によると、業務停止期間中も別会社を通じて教材販売を続けていたという。

　教材販売会社代表ら逮捕、虚偽説明、４億円売り上げか−−京都府警
　（共同通信・２０１５年５月１３日）

「９０点は必ず取れる」などと虚偽の説明をし、学習教材を販売したとして、京都府警生活経済課などは１３日、特定商取引法違反（不実の告知）容疑で、教材販売会社「アーサー教育社」（大阪府吹田市）代表の中村秀美容疑者（４８）（豊中市）と社員ら計５人を逮捕した。中村容疑者は否認し、他の４人は認めているという。

逮捕容疑は２０１３年８月〜２０１４年３月ごろ、京都と大阪の３０〜４０代女性３人に、小中学生用の学習教材を訪問販売した際、「９０点は確実に取れる」「テストに出るところだけをまとめた」などと虚偽の説明をした疑い。

同課によると、同社は２０１３、２０１４年度、７府県の計約３００人に同様の方法で教材を販売し、約４億円を売り上げていたとみられる。最高で１人２７５万円で販売しており、今後、詐欺容疑での立件も視野に捜査を進める。

近畿経済産業局は先月２８日、同法違反容疑で、同社に６カ月間の一部業務停止命令を出していた。

　参考資料

（株）アーサー教育社・（株）ヴィクトリーに対する業務停止命令及び指示について
（消費者庁のニュースリリース・平成２７年４月２８日）

　考察

この会社の高額教材のセールス文句は「ここがテストに出るところ、文部科学省（あるいは教育委員会）がそう決めている」で、伝統的なパターンである。今どき、こんな文句に騙されてしまう人は、そう多くはないと思われる。しかし、参考資料にある売り込み事例を見ると、営業員もあの手この手でがんばっている。さらには、長時間居座って、契約するまで帰らないという押し売り的販売方法も併用している。ついうっかり騙されたり、根負けしたちして、契約してしまう人もいるということだろう。

現段階の特定商取引法は、以前よりも厳しくなって、業務停止命令に違反すると、懲役刑または罰金刑になる可能性がある。この事件は、教材販売の特定商取引法違反での初の逮捕事例と思われる。このような悪徳業者がどんどん逮捕され懲役刑を食らえば、社会の浄化につながるので、今後もこの法律が厳しく運用されていくことを願いたい。

次の項目　−−−　６−０８６．塾と教材のエフォートカンパニーが破産、詐欺で刑事告訴

トップページへ戻る