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６−０７６．日家研グループの家庭教師センターに消費者庁が警告

　「入会金ゼロ」なのに登録料−−消費者庁、家庭教師派遣に警告
　（日本経済新聞電子版・２０１１年２月２５日）

家庭教師を派遣する「日家研グループ」がインターネットの自社サイトで「入会金ゼロ」をうたいながら、「登録料」を徴収していたのは景品表示法違反（有利誤認）の恐れがあるとして、消費者庁は２５日、運営業者のサンライズ（東京）に警告した。同社は同庁に「今回の調査を機に廃業する」と説明している。

同庁によると、同社は遅くとも昨年１０月から今年１月まで、サイト上で家庭教師の紹介を受ける際の入会金を「０円」と表示。しかし実際は登録料と称して消費者から５０００〜６万円（平均数万円）を徴収していた。

同社はサイトで４７都道府県に「家庭教師センター」を開設していると表示していたが、実際は札幌市内の１カ所以外は実体がなく、本拠地の東京の住所も架空だった。

同庁によると、サンライズの札幌の拠点は「家庭教師のアルファ」を運営する志学社の本社内に置かれており、両社の社長は同一人物。

　家庭教師紹介業を営む事業者に対する警告について
　（消費者庁ＨＰ・２０１１年２月２５日）

消費者庁は、本日、株式会社サンライズ（以下「サンライズ」という。）に対し、「日家研グループ」との名称を用いて営む家庭教師紹介業に関する表示について、別添の通り警告を行ったので公表する（景品表示法第４条第１項第２号（有利誤認））。

なお、本件は、公正取引員会（公正取引委員会事務総局北海道事務所）による調査の結果を踏まえて当庁が警告を行うものである。

１．株式会社サンライズの概要

所在地　東京都渋谷区広尾一丁目４番１０号
代表者　代表取締役木村直人
資本金　１０万円
事業内容　家庭教師紹介業

注）当該所在地は登記上の所在地であり、事実上の所在地は、代表取締役である木村直人が経営する「家庭教師のアルファ」との名称を用いて家庭教師紹介業を営む株式会社志学社の本社(札幌市中央区南一条西二丁目５番地)内に置かれている。

２．サンライズが営む家庭教師紹介業の概要

サンライズは、自社ウェブサイトにおいて、「日家研グループ」及び４７都道府県名をそれぞれ冠した「○○(都道府県名)家庭教師センター」との名称のページを開設し、家庭教師を募るとともに、一般消費者に対し家庭教師の紹介を行っていた。実際には、各都道府県には「家庭教師センター」は設置されておらず、家庭教師の紹介に係る受付・問い合わせは、株式会社志学社の本社内に設置した１つのフリーダイヤルのみにより対応していた。

３．警告の概要

サンライズは、遅くとも平成２２年１０月から平成２３年１月までの間、「日家研グループ」と称する自社ウェブサイト（別紙１及び別紙２）において、家庭教師の紹介を受ける際に必要となる費用について、「安心宣言　高額教材販売なし　入会金・解約違約金なし　強引な訪問はありません！」と表示していた。

しかし、実際には、家庭教師の紹介を受ける際には、「登録料」として、５，０００円ないし６０，０００円の料金を徴収する場合があるものであった。

本件表示は、サンライズが提供する家庭教師の紹介に係る役務の取引条件について、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるものとして、景品表示法第４条第１項の規定により禁止されている同項第２号に規定する表示に該当し、同項に違反するおそれがある。

このため、消費者庁は、サンライズに対して、今後、このような表示を行わないように警告を行った。

【本件に対する問い合わせ先】

消費者庁表示対策課　担当者　佐藤、輿水
電話　０３−３５０７−９２３３
ホームページ　http://www.caa.go.jp/

　参考資料

家庭教師紹介業を営む事業者に対する警告について（別紙として問題のウェブサイトも掲載）
（消費者庁のニュースリリース・平成２３年２月２５日）

　考察

この警告は、消費者に不利な取引を禁じている特定商取引法の違反ではなく、広告や商品での表示で消費者を騙すことを禁じている景表法（景品表示法）の違反である。「５０００円〜６万円」の登録料がかかることを隠している点が、有利誤認の条項に抵触すると消費者庁は判断した。

家庭教師派遣を装った高額教材販売に比べると、被害者の損害額は小さい。しかし額は小さいが、このような不公正なやり方で利益を上げていこうとすることは、法律違反である。人にものを教える立場の人が、法律違反をしてはいけない。また、人にものを教える立場の人は、不勉強ではいけない。だから「法律を知らなかった」では済まされない。

なお、２０１２年１２月の時点で、日家研グループのＨＰは見つからない。当時の朝日新聞の記事では、「登録している家庭教師は約１０万人、生徒は数千人、年間の売り上げは約１億円」、サンケイスポーツには「社長は２月中にサンライズを閉じる意向を示した」とある。

この警告について、消費者庁のホームページ（ニュースリリースのページ）には、２０１１年２月２５日付で「家庭教師紹介業を営む事業者に対する警告について」という記事が掲載され、問題のウェブサイトの画像を掲載したＰＤＦファイルの資料もダウンロードできるようになっていた。しかし、２０１３年９月にアクセスしたところ、この記事は削除されていた。そこで、消費者庁表示対策課に問い合わせたところ、「景表法に基づく警告の場合、一定期間を過ぎたら、ニュースリリースから情報を削除することがある。しかしそれは、警告が取り消されたことを意味するものではない」とのことである。

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