情報提供日：２００１年１２月７日
情報提供者：充実野菜さん（関東の京浜地区）
私はＴ学院に通っていた生徒です。諸事情があってやめてしまいましたが、「賢い塾の選び方」のホームページを見るにあたって、複雑な思いをしております。
私がＴ学院に入った大きな理由は、母親の勧めでした。そもそも私の姉が、大学受験を控えＴ学院に入ったので、その流れが私にも及んだのです。私の母親は「塾は少人数制の個別指導が最高！」という信念を持っていた人なので、私も積極的に勧められました。私としても、受験を考えて自分の成績が悪いことも自覚していたので、すんなり入学することは決まりました。科目は数学と英語にしました。高二の夏のことです。
授業の初日は、Ｔ学院オリジナルのレベルチェックテストでした。その後のＴ学院の授業では、ひたすら、行列の復習と高校リード問題集のコピーをもりもり解いていたような記憶があります。その後、高校の夏休みの宿題をやったりもしました。
このとき最初に当たった数学の先生は、Ｔ学院でさえ問題教師扱いされている講師でした。「問題の解き方が分からない」と言うと、「何で分からないかなぁ～」の後、「だってこうなるじゃん」と言って、解答を丸写しにしてみせる、という授業でした。私はこのとき、うたい文句とは大分違うなと思いました。
英語の方は、高校リード問題集を解いて答えあわせするだけの日々でした。英語の先生は、ただの採点者でした。これではまずいと、Ｔ学院の唯一のメリットであるチェンジ機能を使って、何回も先生を変えました。しかし、まともな先生は基本的に手持ちいっぱいで持ちきれない、というパターンが殆どでした。そのため、まともな先生にたどりつくまで、かなり苦労しました。ここで私は、Ｔ学院の文句は、論理的破綻をきたしているなぁと思いました。
さてしばらくして、Ｔ学院では奇跡的な存在と言えるようないい先生、トカゲ先生に巡り会いました。トカゲ先生の勧めで、別の塾にも通うことにしました（この件で母親を説得するのは、とても時間がかかりました）。トカゲ先生は非常に面倒見が良く、授業以外にも個人的に時間をとって教えてくれたり、また、Ｔ学院をやめた方が良いとか、アドバイスもしてくれました。ただ、この先生は来る日が非常に少ないので、めったに教えてもらえないことが難点でした。
トカゲ先生が教えてくれた内情によると、Ｔ学院の講師研修の内容は、主としてやめようとする生徒の引き止め方だそうです。この塾は、基本的にあまり学習が得意でない人が多いので、たとえば「今やめたら、赤点だらけで進級できなくなっちゃうよ」などの脅し文句の練習をするそうです。その一方、教え方についての研修は今まで一度も受けたことが無いと言っていました。また、この塾では生徒の在籍状態によって本社の人間（アルバイト以外の人）の給料が決まるので、やたらそれにばかり目くじらを立てるそうです。
別の塾とＴ学院の両立が始まってから、徐々に私の成績は上がっていきました。そうすると今度はとんでもないことが起きたのです。私が通っていたＴ学院の＊＊教室の中で、教師を含めて、私がトカゲ先生に次いで２番目に「数学と理科ができる」という人になってしまっていたのです。そのため、講師の方が私に、「問題が分からないから教えて」と言ってきたり、「ここはどう教えたらいいのか教えて」と聞きにくるという、こっちが時給が欲しくなるような状態になってきました。しかもそれを、室長も勧めているのです。「わからないの？、じゃあ○○（私の名前）君に聞いてみてよ」などと言うのです。
なんかおかしいぞと思いました。私は授業を受けにきているんじゃないの？、と思いました。私は人に教えることがあまり嫌いではなかったので、可能な限り教えていました。しかし、私にとってＴ学院の評価は、「こんな塾は、塾として認めらんねぇ～」になりました。
Ｔ学院は消耗品の管理が甘かったので、私の時給がわりにコピー用紙を大量にいただいてきました。また、講師室にある参考書のうち、講師が絶対に使わないもの（使えないもの）があったので、何冊か失敬してきました。旧帝大系の１年分の入試問題集（予備校が入試日に配布する？らしいもの）、チャート式新化学ⅠＢ、Ｚ会化学ⅠＢの演習、河合塾理系化学精説などです。
やがて高二の冬休み明けに、トカゲ先生がこの教室からいなくなることになりました。私にとって、Ｔ学院に通う理由がまったくなくなってしまうので、やめることにしました。
私は自信を持って、「Ｔ学院は塾としての機能を果たしていない」と断言します。
まず講師の質は、全体的にひどいです。Ｔ学院には、講師採用試験で英語１９点にもかかわらず英語を教えている講師がいると聞きました。この塾では、講師の方でいい人は、みんなすぐにやめていってしまいます。
トカゲ先生にもらった「Ｔ学院講師採用試験問題」の中身を見たところ、簡単すぎて泣けてきました。これでは絶対に高校生の指導はできないだろうと確信したわけです。そのレベルは、どう高く見積もっても「センター試験」にさえ劣ります。せいぜい、私の通っている学校の高校１年の定期試験か、それ以下といったところです。それでいて、試験時間は事実上無制限とのことでした。
しかも、紹介という形で講師になると、無試験らしいです。講師を紹介すると紹介料として５０００円（時期によっては１００００円）ももらえるらえるそうです。
このような採用試験で学生を集めて、さらに研修の内容が「辞める生徒の引き止め方」では、あまりにトホホな話です。なお、自信はありませんが、鶴見に研修場があるらしいです（室長から聞きました）。
また授業時間中は雑談が多く、すごくうるさかったです。あまり勉強に集中できる雰囲気ではありませんでした。
私は、このサイトを見て思ったことは、塾選びの格言は、まさにその通りだったなぁということです。今通っている塾は、派手な広告は無いです。でもすごくいい塾だと思っています。「この塾に通え」と言ってくれるトカゲ先生に巡り会えたことが、私がＴ学院に通って得た唯一の収穫でした。