情報提供日：２００１年６月１５日（２００４年５月６日下線部加筆）
情報提供者：東堂さん（中部地方）
私は、まずは学生サークルということで安心させて、次に家庭教師の派遣をすると見せかけて、実は教材販売を売り込むという会社の営業をしておりました。会社の名前はあす＊＊と言います。私は中部地方勤務でしたが、関東では渋谷、上野、横浜、横浜にもあります。横浜のみ、＊＊タイムという別の名前を使っています。中でも渋谷営業所は、売上が月に２０００万円を超えているらしいです。それだけたくさんの人が騙されていると言うことです。
普通の家庭教師派遣会社が売り込んだ教材は、いつでもクーリングオフできるのに、あす＊＊の教材は、８日間過ぎたらクーリングオフできません。あす＊＊は、法律の抜け穴を利用した、あくどい会社です。だまされたりする人が１人でも減ればと思い、投稿します。
家庭教師の派遣を装った教材販売会社は日本にいくつもありますが、あす＊＊が普通の業者と違うのは、最初のアポの段階では「学生のサークルです」と言う点と、「教材を買ってください」とは言わない営業をしていることです。
中学生のお母さん方なら、一度は学生のサークルから家庭教師派遣の勧誘電話がかかってきたことがあるかと思います。その９０％は、会社組織です、全国各地でいろいろな名前を使っていますが、２〜３人の人が経営してる形になっています。マニュアルが３０〜４０ページあり、それを覚えてからデビューという形になります。
あす＊＊が「教材を買ってください」と言わない営業をしている理由は、クーリングオフ対策です。少し前の法律改正で、家庭教師のみなら（家庭教師のトライなど）、家庭教師に対してローンは組めない（組んでもクーリングオフが可能）ことになりました。また教材付き家庭教師派遣会社のように、「教材を買ったら先生を派遣します」というような家庭教師がサービス（またはおまけに付いてくる）の場合は、教材についてはいつでもクーリングオフができるようになりました。
あす＊＊では、家庭教師の指導がはじまるにあたって、教科書だけの指導コースと教材ありの指導コースの２種類を用意し、「どちらがいい？」と子供や親に選ばせます。当然、教材ありの方法に誘導していくのですが、このような売り方をすれば、後から父母から「教材をクーリングオフしたい」と言われても、８日間過ぎていれば、「教材は家庭教師とは別の商品だから、わが社は教材付き家庭教師派遣会社とは異なり、８日間過ぎるとクーリングオフはできない」と拒否することができます。「学生だから安心」などと錯覚させておいて、かなりずる賢いシステムで、しっかり儲けています。
電話勧誘の段階では、「実は教材販売で儲ける気だ」ということがバレないように、教材については、「必要なら選んであげる」または「必ず使わなければいけないものはないです」、「私たちは作れないが、選んであげることはできる」などと、もっともなことを言います。
主目的の教材の売り込みは、「家庭教師の指導を受けよう」というところまで生徒や父母が決心した後で、家庭訪問して行います。話の流れは、まずは電話勧誘の際と同じように、「教材は学校の教科書だけでもいいし、必要ならば『旺文社中学パーフェクトゼミ』という教材を選んであげる」と言います。そして、それぞれの勉強法のメリット・デメリットを説明します。当然、「旺文社の教材を使った方が学習効果が上がる」と強調します。すると、ほとんどの家庭が、教材付きのコースを選びます。
教材が売れなければ会社の利益が確保できないので、「教科書のみで教えて欲しい」と父母が要望しても、絶対に受け入れたりはしません。万一、父母がそのように言ってきたら、営業マンは好意的に否定しながら、何とか教材付きのコースに誘導します。私が使っていたセールストークは、「お母さんが言われることはもっともですね、ただ実際・・・」というような感じです。
この教材は、教科書準拠なのですが、値段が高いです。１ヶ月１科目３０００円で１年単位なので、１科目分が３６０００円します。これを、中学校の３年分で５科目すべてを揃えると、理科社会は２つ合わせて１ヶ月４０００円、１ヶ月５科目で１３０００円、３年間で合計４６８０００円になります。ただし、この段階では、教材の合計の金額は絶対に言いません。毎月の家庭教師（教材込み）の値段がそれほど高くないことを強調します。
今の家庭教師業界では、儲けのもとは、仲介料か教材です。あす＊＊の教材は、３年間のフルセットで６０万円を超えていました。営業マンがもらえるのはそのうちの５％程度です。アルバイトで入ってる大学生にしたら、うまく働けば月に２０万円とか３０万円入ってくるバイトなので、収入面で考えるととてもおいしい仕事だと思います。
「旺文社中学パーフェクトゼミ」という教材と、「パーフェクトゼミ」という塾は無関係である。また、現時点では旺文社とも無関係である。
＜旺文社よりの回答メール＞
「中学パーフェクトゼミ」は、以前に旺文社が特定の顧客より制作の依頼を受けて、編集制作のみを担当したオリジナルの特注教材です。しかし、２００２年３月末をもちまして既に絶版となっております。この商品は、家庭教師センターを統括・運営している「Ｇ指導センター」が企画し、同社が専売するためのオリジナル指導テキストとして旺文社が特注オーダーを受けて編集・制作をいたしました。弊社は「Ｇ指導センター」の注文に従ってテキストを編集・制作しますが、商品完成後は「Ｇ指導センター」がすべて買い上げ、その後の小売価格設定を含む販売に関する権利は「Ｇ指導センター」が有する、いわば「ＯＥＭ商品」に近い形です。旺文社はテキストの販売および販売価格設定、家庭教師の派遣・学習指導等には一切関わっておりません。ＨＰを拝見しましたが、非常に残念ながらこのような販売のされ方もあったようで、弊社も消費者センターから説明を求められるなど、一部の悪質な営業員の手法に迷惑を被った経緯がございます。現在では旺文社として「Ｇ指導センター」の事業には一切関わっておらず、商品も存在しておりません。